第107回全国高校野球選手権栃木大会(栃木県高野連、朝日新聞社主催)の組み合わせ抽選会が18日、宇都宮市の県総合教育センターで行われ、出場60校54チーム(連合チーム5)の対戦相手が決まった。大会は7月10日に開幕。試合が順調に進めば27日に決勝戦がある。今年は真岡市の新しい球場が熱戦の舞台に加わった。夏の甲子園を目指す戦いがいよいよ始まる。
抽選会場には出場各校の主将らが顔をそろえた。
まず、今年春の県大会で頂点に立った佐野日大や、準優勝の作新学院など、春のベスト8がシード校となり、最初に番号札をひいて、それぞれ別々のブロックに収まった。
そのあと各校主将らが次々と札をひいた。抽選会に参加した選手らは、会場正面のスクリーンに映し出されるトーナメント表を真剣な表情で見つめていた。
今年の試合は、エイジェックスタジアム(宇都宮市)、宇都宮清原球場(同)、真岡ハイトラ運動公園市民球場(真岡市)の3球場である。
開会式は10日午前9時からエイジェックスタジアムで行われる。その後、同球場で午前10時50分から熱戦がスタートする。
開幕試合は、黒磯―足利工という、ともに夏の甲子園に出場したことがある伝統校同士の顔合わせに決まった。
昨年の優勝校・石橋は、今年はノーシードから連覇をめざす。1回戦は鹿沼東と対戦する。杉浦悠成主将は「今年、もう1回出ることで全国の県立校の希望になる。しっかりと自分たちの実力を証明したい」と語った。
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開会式の選手宣誓は、鹿沼商工の武藤煌諄(こうじゅん)主将がすることに決まった。宣誓を希望した22チームの主将が抽選をし、当たり札を引き当てた。
「驚いたが、『やってやろう』という気持ちが強くなった。先輩に感謝しながら、先輩の記録を超える。支えてくれた親、チームメートに感謝して、最高の夏にしたいという気持ちを語れればいい」と抱負を述べた。
昨年は、ノーシードながら、春の関東大会で優勝した白鷗大足利に2回戦で勝利して話題となった同校。武藤主将もこの試合に出場して独特の緊張感を経験し、自信も得たという。「相手がどこであっても、一試合一試合、全力で戦いたい」
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組み合わせをみると、佐野日大や作新学院など、シード校を中心とした展開が予想される。
昨秋と今春の県大会を連覇した佐野日大は、充実した投手陣で2014年春以来の甲子園を目指す。桜井剛志(こうし)主将は「秋春の大会を通して出た課題点の改善に取り組んでいる。夏に勝たないと意味がない。最後は全員の目標である甲子園にたどり着きたい」と決意を述べた。トーナメント表の同じブロックでは、シードの青藍泰斗や、宇都宮商、栃木工などがいる。
佐野日大とともに春の関東大会に出場した作新学院は、機動力を絡めた攻撃が魅力。葭葉(よしば)慶治主将は「打撃は一発攻勢ではなく、つなぐ野球を意識して全員で勝つということを心がけてきた。作新は3年続けて夏を逃しているので、今年こそはという気持ち。絶対に佐野日大に勝って甲子園に行きたい」と、4年ぶりの夏の頂点を見据えている。このブロックでは、幸福の科学学園、小山、足利工なども楽しみな存在になっている。
例年、強打のイメージが強い文星芸大付だが、坂本亘主将は「今年は例年より長打力がないので、まとまりを意識してチームをつくってきた。一人ひとりの気持ちの強さがチーム力につながっている」と語る。同じブロックでは22年優勝のシード国学院栃木、昨年の春季関東大会を制した白鷗大足利など、強豪が集まっている。
県立校では、宇都宮工が県大会で昨秋準優勝、今春も4強入りと安定した強さを見せている。石沢蓮雅主将は組み合わせを見て「去年負けた石橋が同じ(トーナメントの)ヤマにいる。一戦必勝で必ず甲子園に出場したい」と闘志を燃やしていた。シードの矢板中央、宇都宮短大付などの戦いぶりも注目を集めそうだ。